ねこねこソフト「ラムネ」感想

ネタバレに関する注意

このページではネタバレになる文章を背景と同じ色にして隠してありますが、多少たりともネタバレを見たくない方、またはスタイルシートを無効にしている方は見ないようにして下さい。

基本データ

「ラムネ」は、2004年07月30日に発売されました。

この感想は、このサイトの管理人(カーリア)がサイト上で書いたものを08月09日にまとめたものです。まとめる前の感想や関連記事は以下のリンクをたどって下さい。

◇2004/07/31 速報:ラムネ七海ルート終わった!
◇2004/08/03 速報:ラムネ鈴夏ルート終わったー
◇2004/08/05 ねこねこソフトのラムネが流通在庫回収
◇2004/08/06 速報?:ラムネひかりルート終わったー
◇2004/08/07 速報:ラムネ先輩ルート終わった

システム感想

システムが今回から別のものに変更になりましたが、機能が増えてなかなか良い感じです。時々、日付が出るところでメッセージウインドウが残ってしまう現象がありましたが、あれはシステムの問題じゃなくてスクリプトを書くときの問題でしょうか?

インストール容量は約2GB。最近はどんどん大容量化している印象があったので、ちょっと少ないかも?とか思ってしまいました。インストールはボイスの有無の選択なども特になく、インタフェースも良いのでサクっと終わらせられます。これは評価できる。

ただ、修正パッチ出てますね。「マスターアップ後でもギリギリまで演出を煮詰めたい」という姿勢は評価できないこともないんですが、マスターアップしてDVD-ROMとして販売しているものが一つの完成品であることも事実。パッチを当てた後でも誤字脱字が多いですし、発売延期も既に「恒例」と言えるほどになってしまっています。やはりもう少し余裕をもって開発して欲しいものです。

それと、新システムになったのにやっぱりセーブデータ移行できないってのは一体。修正パッチ自体は「絶対に回避する」ことは不可能なので(ソフトウェアにバグは付きもの)、せめてセーブデータ移行だけでもできるようにするのは必須ではないでしょうか?

シナリオ感想

私がクリアしたのは、七海→鈴夏→ひかり→先輩の順。キャラクターの順に詳細を書いていくことにします。

まず、七海ルートについて。やはり印象に残っているのはバイク事故……かと思ったけど、クリアして1週間以上経ってる今でも印象に残っているのは、事故以前のまったり部分。もちろんまったり部分だけで終わっていたら薄っぺらすぎて何も印象に残ってないんだろうけど、事故の演出はイマイチというか、既出感が強かった。お約束なことよりもそちらの印象が強かったです。あと、このルートのせいで他のルートをやってる時にバイクが出てくると「また事故か……?」とビクビクしてました。そんなことなかったけど。

鈴夏ルート。こちらは事故とかデカいイベントはないものの、幼少時代の終わりの事件が強く印象付けられていて、それ後半に生きてくるのがかなり良かった。あとはシナリオの丁寧さ。最初は「萌え度」って表現しましたが、何て言うんだろうか、場面毎のキャラクターの描写が丁寧なんだな。これでキャラクターにぐいぐい引き込まれていく感じがしました。

ひかりルート。えーと、こちらは結構オーソドックスな展開でした。というか、展開が読めすぎて微妙。それと、幼少時代のエピソードが短い。「短い」っていうのは全般的に感じたことなので後述しますが、ひかりルートの場合は「幼少時代のエピソードがもっと書けそうなのに短い」。それ以外には良くも悪くもなく「普通」ってところか。

んで、先輩ルート。このルートが一番面白かった。サブキャラとの会話のおもしろさがルート毎に違うんですが、このルートが一番コメディとして成り立ってる。あと、展開自体も普通に面白いし、最後の場面(帰りのバスに乗るところ)の先輩の描写も良い。要するに、ラブコメのテキストとして、読んでて面白いんですよ。ただ、ギャルゲとしてどうかと考えると鈴夏ルートの方が上。キャラを魅力的に描けてるどうかとかだと鈴夏ルートの方が上。モノローグとかもう少し長いとここは改善できたかな。あと、先輩ルートなのに先輩以外と喋ってるシーンがかなり多い(設定上仕方ないんだけど)。でもHシーンは先輩の方が良かったような。おまけも選択肢がナイス。

さて、総合的な感想ですが、まずは「短い」。単に冗長にすりゃいいってもんでもないが、ここまで端折られても拍子抜けしてしまいます。一番そう思ったのは七海ルートかな。もう少し時間をかけて語るべき部分があったように思える。

あと、「男性キャラをなんとかして」。立ち絵は、あのレベルなら無くても良かった。女性立ち絵との格差が酷い。確かに、男性キャラがあった方が主人公が女性キャラを引き立てたり、微妙な現実味を持たせたりできるんです。実際に、先輩ルートでの端野はなかなか良い感じだったと思います。でも、あの立ち絵で台無しになってるよなぁ。それに、引き立てというよりかは単なる端キャラになってることもあったし。もう少し男性キャラの活用法を練り込んで欲しいと思います。

これはネタバレ風味なので隠し。「ルート毎に性格が違うキャラってどうなの?」進藤さんの時はイロイロとありましたが、鈴夏でまたやるとは思わなかった。二つ性格があったらユーザーとしては「両方のルートを見たい」。端的に言っちゃうと、ほぼ別のキャラとして認識されているんです。でも用意されてるのは片方のルートだけ。これって、「キャラ紹介にはあるのに攻略できないキャラ」と同レベルだと思いませんか?

良かったところも書こう。「日常描写は○」。みずいろは「プレイしてて眠くなる」という評価で有名ですが、ラムネはテスト→返却→自然教室→終業式→夏休みと、行事目白押しのところを持ってきてるので大分マシになっています。ってことは、仮に次回作以降で行事がない学園生活を描くとしたら……いや、考えるのはやめておこう。

あとは、先輩ルートに尽きますか。いやー、あれは良かった。

総合評価は78点。決して良い数字をつけたつもりはないです。

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